脂漏性皮膚炎になるメカニズムは
フケの大量発生は脂漏性皮膚炎が原因かもしれません!
毎日シャンプーをきちんとしているのに、なぜだか頭皮がかゆいとか、最近大量にフケが出るという人は、ひょっとしたら脂漏性皮膚炎かもしれません。
本来フケは頭皮がターンオーバーして古くなった角質が剥がれ落ちて発生するものなのですが、頭皮環境が悪化してしまうと常在菌であるマラセチア菌が増殖して大量のフケを発生させます。
脂漏性皮膚炎は大量のフケとともに、頭皮の炎症やかゆみを伴うことが多く自力での改善は難しいので、皮膚科に早期に相談することが重要です。
マラセチア菌が増殖するメカニズムとは
頭皮に常在菌として存在するマラセチア菌は通常、皮脂を分解して脂肪酸という物質を発生させます。
脂肪酸が汗などと混ざることでバター状になり、それが頭皮をカバーするので、頭皮は保護されて、乾燥や紫外線などの外敵の侵入を防ぐことができます。
しかしマラセチア菌が増えてしまうと脂肪酸が増えてしまうので、毛穴を塞いでしまいます。
頭皮環境が悪化してしまうので、頭皮はさらに皮脂の過剰分泌を始めます。
こうして皮脂の過剰分泌、マラセチア菌の増加、頭皮環境の悪化の負のスパイラルを繰り返してしまい、脂漏性皮膚炎の症状が悪化していくのです。
脂漏性皮膚炎の悪化は健康的な髪の毛が育つ頭皮にダメージを与えることになりますから、薄毛や脱毛を招き、人によっては頭皮が臭くなることもあります。
皮脂の過剰分泌を防ぐには
脂漏性皮膚炎を防ぐにはまずマラセチア菌のエサとなる皮脂の過剰分泌を防ぐことが重要です。
肉食中心の人や甘いものが大好きな人は、抗酸化作用が高い緑黄色野菜や頭皮環境を健やかに保つために必要なミネラルを多く含む食品を摂るような食生活に変えていきましょう。
また男性ホルモンが増加すると皮脂が過剰に分泌されてしまいますので、ホルモンバランスが乱れないようにストレスを溜めない生活を心がけてください。
頭皮の環境も皮脂の分泌に大きく関わっていますから、使っているシャンプーの見直しや、頭皮を乾燥させないような正しいシャンプーの方法を身につけてください。
稀に脂漏性皮膚炎だと思って抗真菌薬を使ってみても頭皮のかゆみが治らないという場合があり、それは真菌が原因の炎症ではないということがわかります。
脂漏性皮膚炎の自己判断は難しいので、フケが多いとか頭皮がかゆいと思って脂漏性皮膚炎かなと思ったら、早めに皮膚科で相談してみてください。
脂漏性皮膚炎の原因
頭皮がかゆいとか、脂っぽいフケが大量に発生するという人は、ひょっとしたら脂漏性皮膚炎かもしれません。
一般的に脂漏性皮膚炎は赤ちゃんや思春期の以降の成人に発生しやすいという傾向があります。
成人の場合は慢性化しやすく、放っておくと炎症がひどくなって、皮膚がパラパラと剥がれてきたり、加齢臭のような臭いが発生してくるので、早めの対応が必要です。
それでは脂漏性皮膚炎を引き起こす原因を見ていきましょう。
脂漏性皮膚炎の原因はマラセチア菌の増加だった!
頭皮にはマラセチア菌という常在菌が存在しており、マラセチア菌は通常、頭皮の状態や体調が良ければ、何も私たちに悪い影響を及ぼしません。
しかし、色々な原因で皮脂の過剰分泌が起こると、マラセチア菌が増殖してしまい、脂漏性皮膚炎を引き起こしてしまいます。
マラセチア菌は皮脂を食べて分解することで脂肪酸を出し、汗などと混ざってバター状になり、それが頭皮を保護します。
マラセチア菌が良い状態で働いてくれさえすれば、頭皮は良い環境を保てるのですが、皮脂が過剰に分泌されてしまうと、マラセチア菌が分解して発生する脂肪酸の量が増えるので、それが頭皮や毛穴に付着し、頭皮がベタベタした状態になってしまいます。
頭皮が臭くなる原因にも!
こうして頭皮環境が悪くなることで脂漏性皮膚炎となるわけですが、40代以降であったり、常日頃脂っこいものを食べている人であれば、マラセチア菌が脂肪酸を分解することで、ノネナールという加齢臭の元となる原因物質を発生させてしまうので、頭皮が臭くなってしまうのです。
マラセチア菌の増殖を防ぐためには、まず皮脂の過剰分泌を防ぐことが大前提なのですが、私たちの体はちょっとしたことが原因で皮脂を過剰に分泌してしまうので注意が必要です。
皮脂が過剰分泌してしまう原因とは
脂漏性皮膚炎を引き起こしてしまう皮脂の過剰分泌の原因としてまず挙げられるのが食生活の乱れです。
肉食を中心とした食生活をしていれば、それだけで皮脂を大量に分泌してしまいます。
食べ物に注意!
脂っこいものや甘いものも頭皮には悪影響ですから、皮脂の分泌量を正常にして、頭皮のターンオーバーを正常にするために、ビタミンやミネラルを意識して摂取するようにしていきましょう。
ホルモンバランスの乱れも
またホルモンバランスの乱れも過剰な皮脂の分泌を導いてしまいます。
過度なストレスや睡眠不足によって、ホルモンバランスが崩れ、男性ホルモンが優位になってしまうと、皮脂が分泌されやすくなってしまいます。
出産や更年期障害
また女性の場合は出産や更年期障害によって、男性ホルモンが優位になることがあります。
妊娠中は髪の毛に良い影響を与える女性ホルモンが多く分泌されるのですが、出産して2日後くらいから、急に分泌量が減ってしまいます。
また更年期障害も女性ホルモンの分泌量が閉経前後に激減してしまいます。
そのため相対的に男性ホルモンが優位になってしまうという特徴があります。
ホルモンバランスが崩れると皮脂の過剰分泌だけでなく、様々な不調をきたしてしまい、それがまたストレスになって皮脂に過剰分泌を促進してしまうという悪循環にもなりかねませんから、まずは規則正しい生活や栄養バランスの取れた食生活を意識していきましょう。
脂漏性皮膚炎で大量発生するフケ
脂漏性皮膚炎になると脂性のフケが大量に発生するのが特徴です。
単なるフケだと思って放っておくと、そのフケが毛穴を塞いでしまって、さらに脂漏性皮膚炎が進行してしまいます。
脂漏性皮膚炎を防ぐには頭皮を清潔に保つことが重要です。
ただし、洗浄力が強いシャンプーを使って、頭皮を清潔に保とうとすると、頭皮の乾燥を招いてしまって、頭皮環境が悪化し、皮脂の過剰分泌を誘発し、マラセチア菌などのカビ(真菌)の繁殖を導いてしまうので逆効果です。
大量のフケを放置してしまうと、脂漏性皮膚炎の悪化だけでなく、健康的な髪の毛が育たなくなってしまうので、結果的に薄毛や脱毛などを招いてしまいます。
脂漏性皮膚炎はマラセチア菌などの真菌が原因です。
こうなると自分の力では治すことはできませんから、単なるフケだからといって放置せず、フケが増えてきたら早めに皮膚科に相談することをおすすめします。
カビ(真菌)以外の理由で脂漏性皮膚炎になるのか?
一般的にマラセチア菌をはじめとするカビ(真菌)が原因で脂漏性皮膚炎が発生することがわかっており、カビ(真菌)が原因ではなくて、他の原因で脂漏性皮膚炎になることはありえないとされています。
アトピー性皮膚炎など他の病気である可能性も
脂漏性皮膚炎だと思って抗真菌薬を頭皮に塗っていても、一向に炎症やかゆみ、フケなどの症状が改善しなければ、それは脂漏性皮膚炎ではなく、アトピー性皮膚炎など他の病気であることがあります。
自己判断せず、まずは皮膚科できちんと症状を確認してもらって、抗真菌薬やステロイド剤、あるいはビタミン剤の処方をしてもらうなどして、正しい方法で頭皮のトラブルに対処するようにしてください。

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