頭皮湿疹になるメカニズムは
頭皮に湿疹が出来ていても気にせず放置してしまうと、次第に重症化して薄毛や脱毛になってしまうことがありますから、湿疹が出来たら、今までのヘアケアの方法など見直しておくことが大切です。
頭皮に湿疹ができるメカニズムは乾燥が原因の場合と皮脂の過剰分泌が原因の場合の二種類があります。
それではそれぞれの原因について見ていきましょう。
乾燥が原因の場合
頭皮が乾燥してしまうと皮膚の中の水分が保たれなくなるので、次第に頭皮のバリア機能が低下していきます。
バリア機能の低下は紫外線や汗、埃などの外敵に侵入されやすい状態になり、放っておくと炎症や湿疹などを引き起こす原因となります。
人によってはアトピー性皮膚炎を発症してしまって重症化する場合もあるので、頭皮の異常を感じたら早めの対処が必要です。
頭皮が乾燥する原因は洗浄力の強いシャンプーを使っている、シャンプーの時に熱いお湯を使っている、ドライヤーを長時間同じ所にあてている、エアコンにあたりすぎということが挙げられます。
その他にも頭皮の血行が悪いとか、頭皮を健やかに保つビタミンやミネラルが不足していると言った体の中からくる原因が挙げられます。
頭皮に潤いを持たせ、頭皮のターンオーバーを正常に保つことが、頭皮を湿疹から守ることに繋がりますから、シャンプーや洗髪方法、そして日常生活など、あらゆる面で頭皮を乾燥から守るようにしてください。
皮脂の過剰分泌
頭皮が過剰に皮脂を分泌させてしまうとマラセチア菌という常在菌が増殖してしまいます。
マラセチア菌が皮脂を分解することによって脂肪酸という物質を発生させるのですが、これが毛穴などに詰まることで、さらに過剰な皮脂を分泌させてしまいます。
常在菌はバランスが取れていれば、頭皮を健康的な状態に保ってくれるのですが、一度バランスが崩れると、容赦無く頭皮を攻撃してしまいます。
頭皮の過剰分泌を防ぐことでマラセチア菌の増殖を防ぐことが出来ますから、肉食は控えてビタミンやミネラルを多く含む食品を摂取するようにし、抗酸化作用の強い野菜や果物などを意識して食べるようにしてください。
男性ホルモンが増えると皮脂の過剰分泌を招き、ひいては男性型脱毛症になってしまうリスクが高まります。
女性の場合は出産や更年期などでホルモンバランスが乱れがちで、相対的に男性ホルモンが優位になることが多いです。
そのような時はストレスを溜めず、リラックスするようにして、女性ホルモンのバランスを整えるようにしてください。
頭皮湿疹の原因
頭皮に湿疹が出来ると、気になってしまって勉強や仕事に集中できないものです。
しっかりヘアケアしていたとしても頭皮に湿疹ができてしまうことがあり、それは意外なことが原因になっているのかもしれません。
それでは頭皮湿疹の原因を見ていきましょう。
脂漏性皮膚炎
頭皮湿疹で考えられる原因の一つに脂漏性皮膚炎があります。
脂漏性皮膚炎は常在菌であるマラセチア菌が増殖してしまうことで発症してしまう皮膚の病気です。
マラセチア菌は頭皮上で皮脂を分解して脂肪酸を作り出し、それで頭皮を守るという大切な役割を果たしています。
しかし皮脂が過剰に分泌してしまうと、それを分解するマラセチア菌が増殖してしまい、大量に発生した脂肪酸が頭皮や毛穴に覆いかぶさってしまうので、頭皮環境が悪くなり、湿疹や炎症、そして大量のフケを発生させてしまいます。
さらに、マラセチア菌が生成する脂肪酸に過酸化資質が加わることで、加齢臭の原因物質であるノネナールが発生してしまうので、40歳以降の人や動物性たんぱく質を多く含む食生活をしている人は頭皮が臭くなってしまいます。
脂漏性皮膚炎を防ぐには皮脂の過剰分泌を防ぐことが何より大切で、ビタミンやミネラルを多く含む食生活をしたり、ストレスを解消して男性ホルモンが優位にならないようにリラックスを心がけるようにしましょう。
また、頭皮を清潔に保つことも重要で、必要な皮脂は残しつつ、汗や汚れは洗い流すような、頭皮に優しいアミノ酸系シャンプーを使うようにしましょう。

アトピー性皮膚炎
頭皮に湿疹が起こる原因としてアトピー性皮膚炎も考えられます。
見た目は脂漏性皮膚炎とあまり変わらないので、時々脂漏性皮膚炎と間違えて、病院から抗真菌薬を処方されてしまうケースがありますが、その場合はいくら患部に抗真菌薬を塗っても、一向に症状が改善しないので、後からアトピー性皮膚炎だったと判明することがあります。
アトピー性皮膚炎の人は頭皮が薄いので、外敵の侵入を防げず、肌の中の水分を保持できません。
そのため頭皮が乾燥しがちになるので、頭皮環境が悪化しやすく、かゆみや炎症を引き起こしてしまうのです。
頭皮が軽度のアトピー性皮膚炎で湿疹が出来てしまっているのであれば、なるべく頭皮が乾燥しないように保湿をすることが重要で、例えばヒアルロン酸やセラミド等の保湿成分が配合されていて、頭皮に刺激が少ないシャンプーに切り替えてみるのがおすすめです。
さらにアトピー性皮膚炎の特徴としてアレルギーに対して過剰に免疫機能が反応してしまうということが挙げられます。
紫外線やシャンプーなどの刺激、埃やダニなどの外敵に対して強いアレルギー反応を引き起こすので、頭皮にひどいかゆみや炎症が起こり、それが慢性化してしまうのでひどく掻きむしってしまい、次第に雑菌が繁殖しやすくなってしまいます。
アトピー性皮膚炎の湿疹が重症化してしまうと、頭皮がジュクジュクになったり、大きなかさぶたが出来たり、大量のフケが発生しやすくなるので、日常生活に大きな支障をきたしてしまいます。
こうなる前に早めに皮膚科に相談してみた方が良いでしょう。
頭皮の乾燥はトラブルの元
頭皮の湿疹と乾燥は一見関係なさそうに見えて、実は因果関係があります。
頭皮が乾燥すると、頭皮のターンオーバーが早まってしまうので、頭皮が成熟する前にパラパラと剥がれ落ちてしまいます。
このような状態になると水分を蓄えておくことが出来なくなるので、頭皮は外敵の攻撃に負けやすくなります。
さらに外敵の侵入を防ぐために過剰に皮脂を分泌することで頭皮を守ろうとしますので、乾燥しているはずなのに脂っぽいというような頭皮環境になり、炎症や湿疹が発生しやすくなります。
頭皮環境を健やかに保つためには頭皮を乾燥させないことが何より重要で、頭皮が乾燥してしまう原因はシャンプーのしすぎや、ドライヤーで直接頭皮を乾かしすぎという間違ったヘアケアが原因である場合の他に、紫外線による日焼けや、季節的に湿度が低い、あるいはエアコンの効いた部屋にずっといるというような外的な要因もあります。
また運動不足や栄養不足のために頭皮が血行不良になり、頭皮が健やかな状態になるために必要な栄養が行き渡っていないということも、頭皮を乾燥させてしまう原因となります。
刺激による頭皮の炎症
頭皮を労ってあげているつもりと思っていても、実はシャンプーやコンディショナーの刺激によって頭皮がダメージを受けていることがあります。
またパーマやカラーリングを頻繁に行えば、これも頭皮に強い刺激を与えてしまっています。
さらに頭皮を綺麗に洗いたくてシャンプーの時に爪を立ててゴシゴシ洗ってしまうというのも、頭皮にダメージを与えてしまいます。
日常何気なく行っていることも、実は頭皮に刺激を与えている可能性があるので、まずは一つずつチェックしてみることをおすすめします。
頭皮にこれ以上刺激を与えないようにして、頭皮の炎症や湿疹を引き起こさないように、小さなことから改善していきましょう。

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